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事例紹介

事例NO.15  ;Category VISA
申請者   ;男性  国籍 カナダ(アフリカの某国出身)
離婚→「定住者」申請→不許可
日本人の配偶者とは、3年間の婚姻後、離婚、子供はなし
定住者申請は不許可

会社員のカナダ人男性35歳、離婚後に定住申請
申請時年齢  35歳

彼は2005年の夏に私を訪ねて事務所に来ました。
彼の話しを聞いてみると

彼は2001年6月末に日本人女性と結婚し、2003年11月末に離婚しているとのこと。
実質の婚姻期間は2年5ヶ月間です。
子供はなかったとのことでした。
また離婚の理由は彼にはないとのこと。それ以上はいくら聞いても答えないのです。
つまり奥さんからの一方的な離婚通告のようなのです。
試しに、「貴方はカトリックか?」と尋ねたところ、自分はカトリック信者であり、自分の心の中には、「離婚」と言う概念は「ない」との答えが返ってきました。

若干、脱線しますが、私は今の職業について、外国人と接する機会が増え、世界中を探しても、日本くらい簡単に「離婚」ができる国はそうない事を知りました。  「協議離婚」と言う概念は決して世界に通用する概念ではないと知り、当初はかなり驚きました。
殆どの国で、離婚とは、「裁判離婚」を意味すると言う事も、この職業の実務の中で、身にしみて知りました。

国によっては「離婚」そのものが認められていない国もあります。
恐らく彼の奥さんは一般的な日本人で、離婚について、通常の日本人の発想で、手続きをされたのだろうと、思いました。
しかし彼は被害者意識もあったかも知れません。「離婚」についての概念とか、意識とか、モラルが異なるようです。

また彼は専門分野は「コンピュータ」だそうですが、学歴がハイスクールまででした。
即ち、各国への渡航歴や、年齢を考えると、ひとつの専門職での10年以上の経験はなさそうですし、大学等を卒業していないとなれば、就労資格の取得はほぼ不可能であります。
また考え方として就労系の在留資格から、日本人の配偶者などへの在留資格の変更は理解され易いかもしれませんが、逆は難しいかも知れません。認定証明書の取得からやり直しになるかも知れません。  例は異なりますが、「就労」資格から、「家族滞在」資格への変更は問題がありませんが、逆の変更はかなり問題になります。そこに至った背景等を入国管理局へ、充分に説明しなくてはなりません。なかなか認めてもらえません。

在留期限は2005年9月まででしたが、7月に「定住者」への在留資格変更を申請しました。
ただし婚姻期間が短い為、許可されないだろうと彼には説明しました。
ケースバイケースですが、
@婚姻期間は3年以上、
A子供が居る場合は、親権をとり、
B子供と一緒に暮らして養育する。
のが離婚での「定住者」資格付与の条件であると彼には説明しました。
しかし、婚姻期間3年では、実は短すぎるようで、最近は7年程度と考えた方が良いようです。

結局この申請は翌2006年の1月末に不許可となりました。
不許可の理由は、婚姻期間が短く、かつ一緒に生活していた期間が更に短く、「定住性」は認められないとの入国管理局からのご説明でした。
その後の出国準備期間を経て、彼は帰国しました。

以上