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事例紹介

事例NO.2 ;Category VISA
申請者  ;男性、国籍中国(遼寧省出身)
在留資格変更 ;「留学」→「短期滞在」→不許可
在留資格認定証明 ;「日本人の配偶者等」を新たに申請 結果は「証明書取得」、
2005年4月末再来日

相談者は26歳の中国人男性S君です。 2004年10月26日頃当事務所を訪ねてきました。 S君は、現在の在留資格「留学」は3年もらっていましたが、 11月1日で期限が切れる。 学校は、全然行ってないため、半年以上前に退学とされた。 現在は資格外活動の許可を得てアルバイトに精を出している。 交際中の日本人の彼女と、11月10日に結婚の予定で準備を進めている。 ついては、在留資格を「短期滞在」に変更して欲しい、更に結婚後は、「日本人の配偶者等」に再度変更して欲しいと言うものでした。

昨年12月からの新法であれば、6ヶ月以上「留学」の活動をしていないので、「資格取消し」となるところですが、この時にはまだ、新法はスタートしていませんでした。

10月29日に東京入国管理局さいたま出張所に手続きに行きました。 S君のケースでは、改めて検討しなくても、「短期滞在」への変更は難しい、 と予想されました。 結果はやはり、

  1. 長期間学校に行っていないので、その点を重大視されました。 このようなケースでは「短期滞在」を認める訳には行かないとのことでした。 いくら結婚準備と言っても、それまで長期間学校に行かないでブラブラして いたのですから、準備する時間は充分あった筈との指摘です。
  2. 更に、このような場合には「資格外活動許可」とは言えない点も指摘されました。 あくまで、勉学を前提にしている「資格外活動許可」ですから、退学になってしまうと根拠である「資格」そのものがないのだからと言うことです。
  3. 11月1日までに、必ず日本を離れるように、とかなりきつく何度も言われました。
  4. 結婚に関しては、日本から彼女が呼寄せることで、「認定証明」の申請手続きができるので、この問題とは切り離して考えるようにとのことでした。

S君の頭の中には「認定証明」では戻れるかどうか不安、できれば「資格変更」でと考えていた様子でした。結局その日は、遅くまでS君と打合せ、当事務所で責任を以って処理あたり、認定証明を取得できるように努力するから、いったん帰国するようにと、私が説得したのです。彼は入国管理局の指示どおり11月1日に帰国しました。

その後は、日本で彼女が婚姻届けを提出・受理され、そのうえで、11月29日に 当事務所から、在留資格認定証明書交付申請を行い、2005年3月11日に証明書が交付されました。

このケースでは婚姻は、日本で、女性側からの書類提出で受理され、認められました。創設的な婚姻届は、挙行地が日本で、日本法によって行われました。 これによって、中国婚姻法に基づく「結婚登記」は行うことができなくなります。 従い、「結婚公証書」も入手できません。 更に、当事者の片方が日本にいて、もう片方が中国にいる状態での結婚については、中国法では原則認められませんので、中国側への説明に大変労力を費やす結果となりました。

また日本の市役所への婚姻届出時に、中国人側の身分証明として、「婚姻要件具備証明書」つまり独身証明を提出しますが、その記載内容が、「在日中国大使館の発行するもの」と「中国本国の役所の発行するもの」とで、実は微妙に違いがあるのです。 これについても、行政書士の間では良く言われているように 馴れた在日中国大使館に発行してもらう方が良いようです。

中国にいるS君から彼女Y子さん宛に、独身証明書が送られて来ましたから、 あるいはと、心配になり、Y子さんだけでなく、私も届けに同席させてもらいました。案の定、最初はモメました。1時間くらいかけて、色々説明し、お願いをしました。 幸い市役所の担当職員の方が、前例でこのようなケースについて知っておられたのと、 上司のご配慮もあって、なんとか無事に受理して頂くことができた次第です。

よく言われるとおりですが、中国人と日本人との結婚では、 中国に行って中国法による「結婚登記」をすること。その後に 日本で届け出を行うこと。このようなやり方が無難なようです。