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事例紹介

事例NO.7  ;Category 外国会社営業所の開設
申請者   ;男性、国籍スロバキア
スロバキア共和国法におけるLLCの、我が国営業所開設
結果は無事に設立完了

2005年8月22日(月)、スロバキア共和国から来日していたO氏より電話を頂き、 その週のうちに依頼を受けました。
外国会社の営業所開設の進め方として、私が彼に説明したのは

  1. 日本に住所を有する、日本の代表者をまず決めること。
  2. 営業所の住所の候補地を決めること。
  3. そして何をする会社なのか、目的を明確にすること。
の3点でした。
またO氏はあくまで自国に留まり、日本の営業所は日本人代表者に任せたいとのことでしたので、VISAに対しての要望はありませんでした。

翌週O氏は帰国しましたが、彼は日本人の代表者を私に紹介し、後のことは日本人の代表者と進めて欲しいとのことでした。

この最初の打ち合わせの時に、私からO氏にAffidavit(宣誓供述書)の例を見せて
コピーを渡しておきましたので、彼は帰国後早速、必要事項をE-mailで連絡してきました。
この時になって私は重大なことに気付きました。
O氏の会社はCorporationではなく、s.r.o.となっており、彼の説明では所謂LLC(合同会社)でありました。
スロバキア国法におけるLLCとのことです。
ちなみにドイツではGmbh  英国ではLtd  イタリアではSrl と記載し、全て法的には同じ性格のものであるとのO氏の注釈がついていました。
しかし、我が国では先日の新会社法でようやくLLCや、LLPが登場して来たばかりですから、実務では若干とまどうかも知れないと心配になった訳です。

最初は商号の部分で悩みました、○○○LLCであればともかくとして、○○○s.r.o.では日本の社会で理解され難いとの危惧です。
しかしこの危惧は、本国の商号と日本の営業所の商号は同一のものであるべきですから、これ以上悩んでも仕方ないことで、とにかくs.r.o.を表現しなくてはなりません。

ただし単に「s.r.o.」なのか、それとも「エス・アール・オー」とカナ読みとするのかについては考えました。
法務局の方にもご相談のうえ、「s.r.o.と表記しても良いでしょう。」とのご回答を頂き、s.r.o.に落ち着きました。
この方がシンプルですから、結局は商号としてもベターではないかと、日本における代表者の方のご意見もありました。

もうひとつは、登記すべき事項です。
我が国商法下では2005年時点では、LLCは未だ解禁になっておりませんが(2006年〜です)、スロバキア国法下でのLLC会社ですから、この場合はAffidavitが認証されれば、必要事項をそのまま抜き出して、登記すべき事項として申請することができます。
問題はその項目として何と何を登記すべきかでした。
これについても、法務局の方にご指導頂き、「商号」「本店」「公告の方法」「会社設立の準拠法」「会社設立の年月日」「目的」「資本の額」「役員に関する事項」「支店番号」「営業所の所在地」としました。

これらが分かってしまえば、その後の実務は比較的簡単です。とは言え、ここまでに、何度も法務局を往復するハメになり、季節もいつのまにか10月の終わりになってしまいました。
その後はAffidavitを日本における代表者の方に渡して、スロバキア大使館で認証を受けてもらい、数日後に私と日本における代表者の方と二人で登記申請に行ったのが11月10日でした。

なおスロバキア大使館での認証に先立ち、私はO氏に連絡を取り、

  1. 本店のCertified Article(設立定款)
  2. 日本における代表者の資格を証明する書類
の2点をDHLで取り寄せ、要求があったら出せる準備はしていました。

米国大使館などであれば、経験から、宣誓供述時に上記の(1)や(2)が要求されない事は分かっておりましたが、スロバキア大使館での経験は私にはなかったので、万一に備えておりました。
しかし、日本における代表者の方によると、これらの書類は要求される事もなく、極めて簡単に認証が終了したとのことでした。

大使館での宣誓供述時に必要なものは
(1)パスポートなどの身分を証明するもの
だけです。
むしろ認証は何曜日に行っているか、予定する日に領事はいるのか、など泥臭いアレンジをきちんとする事の方が大切なようです。
ちなみにスロバキアの領事は、若くて、大変きれいな魅力的な女性だったと、日本における代表者の方が嬉しそうに言っておりました。
私は一緒に行けば良かったと少々後悔しました。